運命の”アイ”ナンバー
「番号札133番のお客様。4番窓口までお越しください」
やっと僕の番か、1時間は待たされた気がする。
自分の持っていた番号が呼ばれ指定された窓口に向かう。
「お待たせしました。こちらが深川様のアイナンバーと住民票です」
「あ、ありがとうございます」
「料金合わせて550円頂戴いたします」
アイナンバー。通称、運命の番号。個人情報として数年前に追加された物。
少子化対策として日本が世界初の試みだとか。高校卒業後その番号がピッタリの人と面会し、後に結婚しなければ行けない。
問答無用、拒否権無し、許嫁の強化版みたいな物だとか。
もちろん役所に相談すれば運命の相手と連絡を取るかとは出来る、けど会う事は許されない。
それもそうだろうな。高校卒業前に色々問題を作られてしまったら親とかお役所の人からしてもたまったもんじゃないし。
そして最も恋と言う物に興味を抱く年頃の高校生は尚のことだ。
今だってほら。この役所内、社員より高校生の方が多い。
この夏休み中にこっそり会いに行ったりとか連絡を取り合ったりするのだろう。
「これが運命の番号!そっちはどうだったの⁉︎」
「私も貰ったよ。ついでに相手の連絡先も聞いちゃった!今日早速電話してみる!」
何が運命だ。
そこらの知らないおじさんおばさん達が適当に決めただけだろ。
「浮かれてるな」
「どうかされましたか?」
「いえ!すみません」
危なかった、つい心の声が漏れてしまう所だった。
小銭置きに550円ピッタリ置いて窓口にいた曽根さんに一礼して先ほどまで腰かけていた
青いソファーに戻った。
欲しかった物は手に入ったし、早めに逃げてしまうか、キャーキャー言ってる賑やかなJKは苦手だ。
バックに貰った書類を入れたら市役所の自動ドアをくぐり天国だった室内から暑さが残っている外へと出る。
「はぁ…あっつい」
課題は終わってないし、テレビの向こうに居た女子アナウンサーは暑さはまだ続かと言っていたのに僕の高校最後の夏休みはあと2週間で終わってしまうし、はぁ…何やってんだろな僕は。さっさと電話してしまおう。
「とってきたぞー、あと住民票も」
「おー!んじゃ明日早速行こうぜ!」
「なあ和樹。なんでお前っていつも急なんだ?」
「は?思い立ったら善は急げだろ。のぞが計画的すぎなんだよ。んじゃ細かい事はメールする。そんしゃ!」
ピッ‼︎
あいつ…切りやがった…
まあ良いや、ここに居ても邪魔になるしバス停に向かうか。
左ポケットに手を入れた時、違和感にきずいた。
あれ?僕財布何処やったっけ…確かに右のポケットに入れたはずなんだけど…ない。
ソファーか?ソファーだよな。戻ろう!頼むまだあってくれ。汗水流して働いたお金なのに何も買わずに失くすわけにはいかない。急いで先ほどまでいた天国に戻った。
「ありがとうございます」
ソファーの上には黒色の折りたたみ財布は置いてなかった。
けれどその代わりにと聞き覚えのある声から発せられないだろう言葉を聞いた。
その女性は僕と同じように書類を受け取ると直ぐに自動ドアへ向かう。
…ん?今のって橘さんだよな。
あんなに綺麗な人でも運命の相手とやらには興味あるんだな。色んな男達が告白しても断っていたと噂の橘さんもでもやっぱり女の子ってことか。
僕は一生独身のままで生涯を終えたいのにそれを許してくれないのが今の世界なんだよな。
運命の相手なんて自分で探せるから余計なお世話だ。
「あのーすみません。財布落ちてませんでしたか?」
でも僕の財布だけはご助力願いたい。
やっと僕の番か、1時間は待たされた気がする。
自分の持っていた番号が呼ばれ指定された窓口に向かう。
「お待たせしました。こちらが深川様のアイナンバーと住民票です」
「あ、ありがとうございます」
「料金合わせて550円頂戴いたします」
アイナンバー。通称、運命の番号。個人情報として数年前に追加された物。
少子化対策として日本が世界初の試みだとか。高校卒業後その番号がピッタリの人と面会し、後に結婚しなければ行けない。
問答無用、拒否権無し、許嫁の強化版みたいな物だとか。
もちろん役所に相談すれば運命の相手と連絡を取るかとは出来る、けど会う事は許されない。
それもそうだろうな。高校卒業前に色々問題を作られてしまったら親とかお役所の人からしてもたまったもんじゃないし。
そして最も恋と言う物に興味を抱く年頃の高校生は尚のことだ。
今だってほら。この役所内、社員より高校生の方が多い。
この夏休み中にこっそり会いに行ったりとか連絡を取り合ったりするのだろう。
「これが運命の番号!そっちはどうだったの⁉︎」
「私も貰ったよ。ついでに相手の連絡先も聞いちゃった!今日早速電話してみる!」
何が運命だ。
そこらの知らないおじさんおばさん達が適当に決めただけだろ。
「浮かれてるな」
「どうかされましたか?」
「いえ!すみません」
危なかった、つい心の声が漏れてしまう所だった。
小銭置きに550円ピッタリ置いて窓口にいた曽根さんに一礼して先ほどまで腰かけていた
青いソファーに戻った。
欲しかった物は手に入ったし、早めに逃げてしまうか、キャーキャー言ってる賑やかなJKは苦手だ。
バックに貰った書類を入れたら市役所の自動ドアをくぐり天国だった室内から暑さが残っている外へと出る。
「はぁ…あっつい」
課題は終わってないし、テレビの向こうに居た女子アナウンサーは暑さはまだ続かと言っていたのに僕の高校最後の夏休みはあと2週間で終わってしまうし、はぁ…何やってんだろな僕は。さっさと電話してしまおう。
「とってきたぞー、あと住民票も」
「おー!んじゃ明日早速行こうぜ!」
「なあ和樹。なんでお前っていつも急なんだ?」
「は?思い立ったら善は急げだろ。のぞが計画的すぎなんだよ。んじゃ細かい事はメールする。そんしゃ!」
ピッ‼︎
あいつ…切りやがった…
まあ良いや、ここに居ても邪魔になるしバス停に向かうか。
左ポケットに手を入れた時、違和感にきずいた。
あれ?僕財布何処やったっけ…確かに右のポケットに入れたはずなんだけど…ない。
ソファーか?ソファーだよな。戻ろう!頼むまだあってくれ。汗水流して働いたお金なのに何も買わずに失くすわけにはいかない。急いで先ほどまでいた天国に戻った。
「ありがとうございます」
ソファーの上には黒色の折りたたみ財布は置いてなかった。
けれどその代わりにと聞き覚えのある声から発せられないだろう言葉を聞いた。
その女性は僕と同じように書類を受け取ると直ぐに自動ドアへ向かう。
…ん?今のって橘さんだよな。
あんなに綺麗な人でも運命の相手とやらには興味あるんだな。色んな男達が告白しても断っていたと噂の橘さんもでもやっぱり女の子ってことか。
僕は一生独身のままで生涯を終えたいのにそれを許してくれないのが今の世界なんだよな。
運命の相手なんて自分で探せるから余計なお世話だ。
「あのーすみません。財布落ちてませんでしたか?」
でも僕の財布だけはご助力願いたい。