いじめられ少女が腹黒優等生の一軍男子に溺愛されるまでの青春ラブストーリー【高嶺の君とキズナを紡ぐ】
「うん。ヤバいと思う。学校が滅びる」

「だよな。鬼神山口だもんな。命がいくつあっても足りねーよな」

 重田と神谷が深く頷くと、遠くで彩美のはつらつとした声が聞こえた。

「篠原くーん! 一緒に記念写真撮ろう?」

「え、うん。いいよ」

「わーい。篠原くんこっちこっち。重田くーん、カメラおねがーい」

「おい、鬼神が呼んでんぞ」

「やだよ。お前行けよ」

「なんでだよ。鬼神の下僕だろ、早く行け」

 そもそも、呼ばれてるのは重田の方だ。神谷に動く気はない。

「重田くん、カメラを頼みたいんだけど」

 ついに彩美が重田の方へ近づいてきた。輝かしい笑顔を浮かべて、スマホを渡す。

「あ、はい」

 重田はおとなしく彩美に連行され、神谷は、女子達に囲まれて写真を撮る咲乃の姿を眺めた。

「あいつらのために参拝すっか」

 重田も咲乃も、女運はとことん悪そうだ。神谷はよっこいしょと腰を持ち上げて相生社の授与所受付に並んだ。
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