幼なじみが犬になったら、モテ期がきたので抵抗します!
●舌足らずの喧嘩
?年前~魔法7日目(赤口)
その番組を見ているとたいてい、わたしと幸太郎は喧嘩になって、しまいにはそれぞれがそれぞれの言い分を言い合いながら、泣き出す始末だった。
原因は、わたしが好きだったキャラクターを幸太郎が気に入らないというだけの、些細なことだった。
幸太郎はいつだって、情に厚く、熱血でちょっとバカという、多くのメディアの中で一般化しているヒーロー像にマッチするようなキャラクターが好きだった。
わたしも特にそういうキャラクターが嫌いなわけじゃなかったけれど、その番組の場合は違った。
整った顔立ちで一見クールに見えるけれど心優しい、いわゆるイケメンのキャラクターをカッコいいな、と思った。
というよりもまず、そのキャラクターを演じる俳優をいいな、と思ったのが大きかったのだと思う。
その俳優は端正な顔立ちをした青年だった。わたしは、その俳優が演技の中で時折みせる、優しそうな笑顔がいいと思っていた。
もっとも、園児の頃のあやふやな記憶だから、そのときのわたしの目には本当はどんな顔に映っていたのかは分からないけれど。
とにかく、どちらかの家でその番組を見ると、必ずと言っていいほど喧嘩になるので、別々に見なさい、と両方の母親が言い出すほどだった。
今でこそ腐れ縁のように思うけれど、当時は仲が良かったこともあって、喧嘩したことも忘れて、一緒に見てはまた喧嘩を繰りかえしていた。
今までそんなことはすっかり忘れていた。
それなのに今思い出しているのは、さっきまでその喧嘩を目の前で再現していたからだった。
その番組を見ているとたいてい、わたしと幸太郎は喧嘩になって、しまいにはそれぞれがそれぞれの言い分を言い合いながら、泣き出す始末だった。
原因は、わたしが好きだったキャラクターを幸太郎が気に入らないというだけの、些細なことだった。
幸太郎はいつだって、情に厚く、熱血でちょっとバカという、多くのメディアの中で一般化しているヒーロー像にマッチするようなキャラクターが好きだった。
わたしも特にそういうキャラクターが嫌いなわけじゃなかったけれど、その番組の場合は違った。
整った顔立ちで一見クールに見えるけれど心優しい、いわゆるイケメンのキャラクターをカッコいいな、と思った。
というよりもまず、そのキャラクターを演じる俳優をいいな、と思ったのが大きかったのだと思う。
その俳優は端正な顔立ちをした青年だった。わたしは、その俳優が演技の中で時折みせる、優しそうな笑顔がいいと思っていた。
もっとも、園児の頃のあやふやな記憶だから、そのときのわたしの目には本当はどんな顔に映っていたのかは分からないけれど。
とにかく、どちらかの家でその番組を見ると、必ずと言っていいほど喧嘩になるので、別々に見なさい、と両方の母親が言い出すほどだった。
今でこそ腐れ縁のように思うけれど、当時は仲が良かったこともあって、喧嘩したことも忘れて、一緒に見てはまた喧嘩を繰りかえしていた。
今までそんなことはすっかり忘れていた。
それなのに今思い出しているのは、さっきまでその喧嘩を目の前で再現していたからだった。