幼なじみが犬になったら、モテ期がきたので抵抗します!
「ちょっとだけ、本田さんに聞きたいことがあるの」
「うん、何?」
「イッセイ君のこと」
 言葉の調子が変わったのが何となく分かった。

「イッセイ君、さっき遅刻してここに到着したみたいなんだけど、何だか様子が変なの」
「え?松代君、来てるの?」
 それじゃあ、昨日の伝書鳩の連絡は一体何だったんだろう。

「え?松代君、来てるの?」
 それじゃあ、昨日の伝書鳩の連絡は一体何だったんだろう。

 わたしの一言で、戸田さんはころっと表情が変わり、
「どういうこと?本田さん、何か知ってるの?」
 ずいずいっと顔を寄せてくる。

 その長いまつげが触れそうなくらいに、近づいてくるので、ドキっとしてしまう。 どうしよう。龍のこと言った方がいい?

 そんな風に悩む時間を与えてもらえれば良かったのだけれど、戸田さんが、
「イッセイ君、具合悪いの?何か他の理由?本田さんがこっぴどくふったの?」
 と間隙を与えず質問ずくめにしてきたので、本当のことを伝えるしかなかった。

「松代君、龍にとりつかれちゃったんだ」
 そう言って戸田さんの様子を伺う。
 ……変な奴だと思われたらどうしよう。
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