幼なじみが犬になったら、モテ期がきたので抵抗します!
「本田さんは、龍と結婚するの?」
「いやいやしないってば!ていうか、わりと詐欺に近い方法で迫られてる気がしないでもないしね……」
 児童期の発言利用詐欺、かな。そんなのあるかどうかは知らないけれど。

「そう」
 そして今度は、ふふふっと柔らかくいつものように笑う。
「じゃあ、わたしも攻めかた変えようかな」

「攻めかた?」
「ふふふ、何でもない。横堀君待ってると思うよ。行った方がいいんじゃない?」
「うん、そうだね」
「またね、本田さん」

 戸田さんと別れ幸太郎の待つ噴水へと急いだ。
 背中に、からからという、聞き覚えのある音を聞きながら。
< 248 / 395 >

この作品をシェア

pagetop