幼なじみが犬になったら、モテ期がきたので抵抗します!

 ナニコレ熱中症?

 でもその割に頭はすっきりとしているし、身体も熱いだけで具合が悪いわけじゃない。
 そう思ったとき、覚えのある強い光がわたしの手の甲から放出され、わたしと幸太郎の体を包み込んだ。

「え?え!?」
 まさかこれって、また魔法?

「げ……なんでまた魔法が?」
 幸太郎もわたしと同じ考えに及んだらしい。
 まぶしい光に思わず目をつむる。

 しゅぅっと音を立て、熱くなった身体から蒸気が出てくるのが分かった。

 まるで風船から空気が抜けるような音だった。

 音とともに、わたし自身の体から力が抜けていく――――。
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