幼なじみが犬になったら、モテ期がきたので抵抗します!
5章 大混乱
●こんにちは、わたし
魔法8日目(先勝)
気づいたときには、光の洪水が引いていた後で、目の前にはさっきまでの光景に戻ってきた。
しばらく目がくらんでいて視界がはっきりしなかったけれど、徐々に慣れてくると、ちょっとした違和感を覚えた。
「何か、高さが違う……?」
視界の位置がいつもより少し高く感じるのだ。
「な、何で俺が?」
不思議に思っていると、下のほうで女の子の声がした。見下ろすと、そこには――――
肩までのストレートヘアをした女の子……わたしがいた。
“わたし”はこちらを見上げ、あんぐりと口をあけている。
「う、嘘ぉ……」
口にした言葉は少しハスキーな声で響き、それにも驚く。
「ナニコレ?」
目の前のわたしとわたし自身とが同時にそう言った。
思わずわたしはわたしと顔を見合わせる。こう言うと、何かものすごく紛らわしい。
「あの、あなたは誰?」
突然現れたもう一人のわたしに、声をかける。
「俺は横堀幸太郎。次男なのに何で幸太郎なんだってよく言われる。よろしく」
「コータロー?何でわたしのかっこしてるの……?」
「え?」
幸太郎(仮)は自分の体を見下したり、左右の手を見たり、髪の毛を触ってみたりする。
「うわ……すげぇ!」
と言いながら、両手が怪しい動きで胸元に伸びる。
「ドサクサにまぎれて触るな!」
慌ててわたしはその手を掴んだ。
「その突っ込みは……ミサキだな」
「突っ込みも何も、わたしはわたしだよ」
わたしがそう言うと、幸太郎は苦笑いをして、
「ミサキも自分の体、見てみろよ」
そう言う。
言われるままに幸太郎がしたように自分の体を見てみる。
わたし以上にぺったんこな胸と、節ばった手足、短い髪……わたしじゃない。
気づいたときには、光の洪水が引いていた後で、目の前にはさっきまでの光景に戻ってきた。
しばらく目がくらんでいて視界がはっきりしなかったけれど、徐々に慣れてくると、ちょっとした違和感を覚えた。
「何か、高さが違う……?」
視界の位置がいつもより少し高く感じるのだ。
「な、何で俺が?」
不思議に思っていると、下のほうで女の子の声がした。見下ろすと、そこには――――
肩までのストレートヘアをした女の子……わたしがいた。
“わたし”はこちらを見上げ、あんぐりと口をあけている。
「う、嘘ぉ……」
口にした言葉は少しハスキーな声で響き、それにも驚く。
「ナニコレ?」
目の前のわたしとわたし自身とが同時にそう言った。
思わずわたしはわたしと顔を見合わせる。こう言うと、何かものすごく紛らわしい。
「あの、あなたは誰?」
突然現れたもう一人のわたしに、声をかける。
「俺は横堀幸太郎。次男なのに何で幸太郎なんだってよく言われる。よろしく」
「コータロー?何でわたしのかっこしてるの……?」
「え?」
幸太郎(仮)は自分の体を見下したり、左右の手を見たり、髪の毛を触ってみたりする。
「うわ……すげぇ!」
と言いながら、両手が怪しい動きで胸元に伸びる。
「ドサクサにまぎれて触るな!」
慌ててわたしはその手を掴んだ。
「その突っ込みは……ミサキだな」
「突っ込みも何も、わたしはわたしだよ」
わたしがそう言うと、幸太郎は苦笑いをして、
「ミサキも自分の体、見てみろよ」
そう言う。
言われるままに幸太郎がしたように自分の体を見てみる。
わたし以上にぺったんこな胸と、節ばった手足、短い髪……わたしじゃない。