幼なじみが犬になったら、モテ期がきたので抵抗します!
●重い男たち
そんなこんなで、馬とネズミと蝶々というメンツとしばし見守っていると、
「分かりました、姐御!」
勢いよく地面に降り立ち、それでも何の衝撃も感じない様子のまま、火恩寺君が戻ってきた。
「もっと山の上のほうに上っていったみたいですね。匂いがそっちから流れてきています」
そして、犬のようにきらきらした目でそうやって報告してくれるのだ。
幸太郎よりもよっぽど犬っぽい。
「それじゃあ、さっそく行きましょう。こぉたろぉを探しに」
火恩寺君がそう言うと、
「……タツヒコはそれで異存はないの?一応、恋敵を探しに行くことになるんだよ」
地面に座っていた穂波君が足を立て、何だか気だるそうにタテガミをふるいながら、立ち上がる。
「こ、恋敵って!コータローは別に……」
「横堀は本田さんのことが好きだから、俺にとっては恋敵だよ」
「でも……」
好きという言葉はわたしには重い。
「タツヒコは?」
「俺は、姐御が幸せならそれでいいんです。縁というものは恋慕だけじゃあねぇと思うんで。こぉたろぉが姐御を幸せにするなら、それで俺は異存なんてありません」
「いや、それもまた思考が飛躍しすぎですから!」
わたしが思わず突っ込みを入れると、ふぅと穂波君がため息をつく。
「分かりました、姐御!」
勢いよく地面に降り立ち、それでも何の衝撃も感じない様子のまま、火恩寺君が戻ってきた。
「もっと山の上のほうに上っていったみたいですね。匂いがそっちから流れてきています」
そして、犬のようにきらきらした目でそうやって報告してくれるのだ。
幸太郎よりもよっぽど犬っぽい。
「それじゃあ、さっそく行きましょう。こぉたろぉを探しに」
火恩寺君がそう言うと、
「……タツヒコはそれで異存はないの?一応、恋敵を探しに行くことになるんだよ」
地面に座っていた穂波君が足を立て、何だか気だるそうにタテガミをふるいながら、立ち上がる。
「こ、恋敵って!コータローは別に……」
「横堀は本田さんのことが好きだから、俺にとっては恋敵だよ」
「でも……」
好きという言葉はわたしには重い。
「タツヒコは?」
「俺は、姐御が幸せならそれでいいんです。縁というものは恋慕だけじゃあねぇと思うんで。こぉたろぉが姐御を幸せにするなら、それで俺は異存なんてありません」
「いや、それもまた思考が飛躍しすぎですから!」
わたしが思わず突っ込みを入れると、ふぅと穂波君がため息をつく。