幼なじみが犬になったら、モテ期がきたので抵抗します!
「松代君の通いつけの占い師も、ブッコミ占いをしてくれるって聞いたけど……」
「そ、それは、ブッコミの、占いは、その。通いつけのは、あのね……」

 わたしの言葉に、戸田さんがしどろもどろになっていく。
 その様子を見て、薄っすらと事情が見えてきた気がした。

 ブッコミ占いに消えた幸太郎、そしてあの変な夢。
 そして、今までの戸田さんの不可解な行動。
 すべて一つの要素に繫がっているような気がした。

「戸田さん、知っていることを話して欲しいんだ。きっと、松代君の占いのこととコータローが消えたことは無関係じゃない、よね?」
 わたしが言うと、戸田さんは腹をすえた顔になる。

「きっと、本田さんが聞きたいと思っているのは、馬鹿馬鹿しい、ただの空回りがすべての話だよ」
「戸田さん……」

「けどね……聞いて欲しいとも思っちゃった。それに横堀君のことは、本田さんに一番話さなくちゃいけないことだと思うから」

「じゃあ……」
「うん。お話するね。それは、わたしが楽になりたいだけなのかもしれないけど――――」
< 318 / 395 >

この作品をシェア

pagetop