幼なじみが犬になったら、モテ期がきたので抵抗します!
●いつまで作れる、幼なじみ
練習はいつもどおりバレー部と体育館を二分して行われた。
更に男子部と二つあるバスケコートを折半だから、実質使えるコートは一つだけ。女子部の面々は、そのコートの中でストレッチをする。
男子部は既にストレッチを終え、壁沿いをランニングしている。
そう言えば、穂波君も同じ部だったんだっけ?
屈伸をしながら、走っているメンツに目を向けてみる。
思えば、まともに男子部のメンバーを見たことなんてないかも。
軍団の中、穂波君は前のほうを走っていた。わたしが見ていると、視線に気づいた様子で、目があう。
逸らすのもどうなのかと思い、とりあえず手を振ってみたら、なぜか穂波君はつまずいて、転びそうになった。
同時に、
「本田あぁ!男子に色目使うんじゃないー!」
顧問の金切り声と体育館履きが飛んでくる。
何とか顔の前でキャッチして、投げ返す。
「ナイスキャッチ、ミサキー」とチームメイトの由紀が耳打ちする。
それにしても、色目って、古いよ先生……。
練習後、
「それにしても、今日もワニセン機嫌最悪だったねー」
更衣室で着替えを始めると同時に、女子バスケ部部長の今井先輩が、そう切り出した。
「ねー、お陰で穂波君よく見れなかったんだけどー」
「あたしなんか、大塚先生良く見れなかったー」
すると先輩達がたちまち話に乗っかっていく。
確かに、今日の鰐淵先生は一段と機嫌が悪く、よそ見をしようものなら、もれなく体育館履きが投げられた。
わたしを始め、ひょっとしたら皆一通り投げられたかもしれない。
「ミサキなんか、色目使うなって言われてましたよー」
と隣で着替えていた由紀も、会話に入っていく。
「ちょ、ユキ……っ!」
「本田が色目?珍しー」
「ていうか、本田って、人類に興味あったっけ?」
「先輩、さすがにそれひどいです……」
人類に対して興味の範囲が狭いのは自覚あるけれど。
「それで誰誰!?誰狙ってるの?」
「ねらっ……ちょっと見てただけです!」
「誰を?」
先輩の一人にロッカーを背に追い詰められる。
更に男子部と二つあるバスケコートを折半だから、実質使えるコートは一つだけ。女子部の面々は、そのコートの中でストレッチをする。
男子部は既にストレッチを終え、壁沿いをランニングしている。
そう言えば、穂波君も同じ部だったんだっけ?
屈伸をしながら、走っているメンツに目を向けてみる。
思えば、まともに男子部のメンバーを見たことなんてないかも。
軍団の中、穂波君は前のほうを走っていた。わたしが見ていると、視線に気づいた様子で、目があう。
逸らすのもどうなのかと思い、とりあえず手を振ってみたら、なぜか穂波君はつまずいて、転びそうになった。
同時に、
「本田あぁ!男子に色目使うんじゃないー!」
顧問の金切り声と体育館履きが飛んでくる。
何とか顔の前でキャッチして、投げ返す。
「ナイスキャッチ、ミサキー」とチームメイトの由紀が耳打ちする。
それにしても、色目って、古いよ先生……。
練習後、
「それにしても、今日もワニセン機嫌最悪だったねー」
更衣室で着替えを始めると同時に、女子バスケ部部長の今井先輩が、そう切り出した。
「ねー、お陰で穂波君よく見れなかったんだけどー」
「あたしなんか、大塚先生良く見れなかったー」
すると先輩達がたちまち話に乗っかっていく。
確かに、今日の鰐淵先生は一段と機嫌が悪く、よそ見をしようものなら、もれなく体育館履きが投げられた。
わたしを始め、ひょっとしたら皆一通り投げられたかもしれない。
「ミサキなんか、色目使うなって言われてましたよー」
と隣で着替えていた由紀も、会話に入っていく。
「ちょ、ユキ……っ!」
「本田が色目?珍しー」
「ていうか、本田って、人類に興味あったっけ?」
「先輩、さすがにそれひどいです……」
人類に対して興味の範囲が狭いのは自覚あるけれど。
「それで誰誰!?誰狙ってるの?」
「ねらっ……ちょっと見てただけです!」
「誰を?」
先輩の一人にロッカーを背に追い詰められる。