許婚に内緒で合コンしたら、溺愛が始まりました。
「はぁ〜……疲れた」
唸りながら目を瞑ると、ドアからノック音が聞こえてきて返事をする。すると「入るぞー」と聞こえて兄が入ってきたのを確認して起き上がる。
「凛玖、おかえり。来月のボランティアのシフト表が出来たらしいから渡しに来た」
「え、ありがとう。お兄様……今日は早いのね」
「あぁ。今日はね」
いつも兄はこんな時間には帰って来ない。兄は、御手洗総合病院の外科でお医者様をしていて次期院長だからそのお仕事をしていて多忙な人だ。だから滅多に帰らないのに。