生贄教室
終焉
ひとり残された美麗は椅子に座ってスマホ画面を見つめていた。
そこではネットニュースが報道されている。

ニュースの内容はずっとこの街のことで、あの化け物の生体について明らかになってきたと告げている。
《○○街に突如出現した謎の生物は長い間地中にいた生物の可能性が出てきました。あの化け物には目がなく、光に弱いということです》

女性キャスターの声を聞きながら美麗は天井を見上げた。
もう誰もいなくなってしまった。
ひとりぼっちになった今、化け物の生体なんてどうでも良かった。

ただ次の生贄は自分であるという、その事実が残っただけだ。
《地中にいたということは、太陽に弱いということですよね? だから夕方に地上に出てきたと?》

《その可能性は高いです。昨日の夕方5時は曇っていたこともあり、○○街の駅前に日差しはほとんどありませんでした》
ふと、窓から太陽の光が差し込んできていることに気がついて時計を確認した。
時刻は午前4時30分を過ぎている。
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