年上の彼女
教頭は書類一式を持って待っていた

俺をそれを受け取ると
その場で名前を書いて
書き込んでいく

学校に未練はない

今のアパートなら
バイト先でなんとかやっていける

親にはもう見放されいるし
自由に生きていけばいいんだ

「ちょっと待ってください」

悦子が必死な顔で
教頭の前に立った

「私の話も…」

「話は戸田から聞いた
君は被害者だ
これからもあのクラスを担当してくれ」

他の教師じゃ
手に負えないからな

俺の責任で流せるんなら
流してしまいたいだろう

「でも…」

「これでいいですか?」

俺は書き終わった書類を
教頭に渡した

「教室にある俺の荷物は
処分していいですから」

悦子に言うと
俺は
職寝室を出て行った
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