年上の彼女
「うちの馬鹿息子が
先生にとんでもないことを
しまして…
どうお詫びをしたら良いものかと」

「いえ…お詫びなんて」

悦子が手を振りながら
頭をまた下げた

口の中で
血の味がした

どこか
切ったようだ

痛い

俺は立ち上がると
舌で口の中にできた傷口を
触った

「こういうときは
どう責任をとるべきか…

こんな奴の嫁にきてください
…とは言えませんし」

「え?」

悦子も驚いた顔をしていた

「あ…いえ
嫌なことは重々承知ですが…
馬鹿息子の犯した罪をどう償えば
いいのか…」

阿呆らし
俺は立ち上がると

立話しをしている
二人を残して階段をあがり始めた

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