エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 これが復讐のための結婚なら、今はもう見られないだろうと思っていたのに――。

「俺は今も、君の奴隷らしい」

 あの頃よりも魅力的に微笑んだ北斗が、私を引き寄せて唇を奪う。

 目を閉じてくれるだけでよかったのに、結局私がされる形になってしまった。

 吐く息さえ欲しがるような、唇を覆う甘すぎるキス。

 いたずらに触れてくる舌に口の中をくすぐられ、思わず彼の肩口を掴んだ。

「拒むな」

 また私に突き放されると思ったのか、唇を触れ合わせたまま囁いてくる。

 言われなくても、拒むつもりなんてなかった。

 ただ、彼のキスに溺れそうで立っていられないからすがっただけだ。

「……っは」

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