エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「悪いが、今は目を閉じる余裕がない。赤くなった君を見るのに忙しいからな」

「変なことを言ってないで、早く目を閉じて。じゃないとキスしてあげないんだから」

「その時は俺からするだけだ。一回と言わず、何度も」

 体温を感じるほど近い距離で囁かれ、鼓動が速度を増す。

 ルールが必要だというなら、彼の甘い声を禁止すべきだ。心臓に悪すぎる。

「……目、閉じてくれないの?」

「おねだりの仕方は五年前に教えたはずだ」

 北斗の手が後頭部に触れ、私の顔の位置を固定する。

「……お願い、北斗」

 私がこう言うと、彼はいつもとろけるような笑みを浮かべてくれた。

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