君に甘やかされて溺れたい。

♥︎糖度70%



 現実の男の子は怖いと思ってた。
 何を考えてるのかわからなくて、向き合うことから逃げてしまった。

 でも藍良くんは、いつも真っ直ぐ私を見てくれるから。

 私も向き合って前に進みたいと思ったの。


「えっ猿渡の高校?」

「うん。若菜ちゃん知ってる?」

「確か隣のT高だった気がするけど、なんで?」

「……戦いに行こうと思って」

「戦い!?紅どうした?」


 前に進むためには、過去と向き合いたい。

 私はあの時逃げてしまったけど、今度こそ逃げない。


「紅ちゃん」

「藍良くん」

「その戦い、僕も一緒に行ってもいい?」

「え……」

「何かあった時は僕が盾になって守るよ」


 藍良くんが傍にいてくれるなら、頑張れる気がする。


「……よろしくお願いします」

「うん!」


 藍良くんに過去のトラウマのことをちゃんと話したわけではない。
 藍良くんも別に聞いてくるわけではなく、ただ傍にいてくれる。

 それがとても嬉しい。


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