君に甘やかされて溺れたい。


 藍良くんは握った私の手の甲にちゅっとキスする。


「っ!?」


 びっくりしたと同時にこんなことを思ってしまう私は多分バカなんだと思う。

 アイルくんも同じことやってて、ものすごくキュンキュンしたシーンだ……!!

 でも漫画で読んだ時よりずっとドキドキしてる。


「あの時から優しくてかわいい紅ちゃんが大好きだよ」

「わ、私も……藍良くんが好き、です」


 このときめきは、アイルくんに似てるからじゃない。
 藍良くんだからドキドキするの。


「ほんと?」

「……うん」

「僕の彼女になってくれる?」

「なりたい、です」

「やったあ!」

「きゃあっ!?」


 急に藍良くんに抱っこされたかと思うと、そのままくるくる回る。

 藍良くん、見かけによらず力持ちなんだ……!

 なのにすごく嬉しそうな笑顔がかわいくて、ギャップがすごいよ藍良くん。


「紅ちゃん大好き」


 かわいくて優しくて、でも愛情表現がストレートで甘々で――きっとこれからもっと藍良くんに溺れていくんだろうな。


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