危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

 楽観的な性格の達也は、場を和ませることに長けている。そういう部分には救われている。社交的なのは知っていたが、画面越しにしか見たことがないモデルやタレントなども達也の知人として来ていて少し驚いた。

 生まれつき心疾患があり、家にいることが多かったすみれは必然的に内向的な性格になった。
 そのせいか、父がすみれに期待することはなかったが、却ってそのせいですみれは必要以上に人の顔色を窺うようになってしまった。
 
「君は今夜の主役なんだから、堂々と微笑んでいるだけでいいんだよ」

 でも、と言いかけて、すみれは口をつぐんだ。このお金の出どころは、達也の実家であるはずだ。

『宝来家と上條家、権力と富の結婚』
< 10 / 284 >

この作品をシェア

pagetop