「みんなで幸せになると良いよ。」

『うわっ、見て見て！めっちゃ可愛い男の子。』

若い母親に手を引かれて男の子は飛行機みたいに両手を広げて走ってる。

「可愛いな。」

心から思える。

「けーいーちー」と指をさしながら突っ込んで来る。

「嘘、まさか！啓くん、佐紀ちゃん！？」

『ケイイチさん！やっぱり！！啓が見たことある言うてたんですよ！』

「えっ、覚えたん！？なわけないよね？？」

『大学のアルバムの写真コピーしたときWケイイチの写真見つけたんです。』

「Wケイイチ…それで眺めて啓一くんが…ややこし！」

飛行機少年が若い母親の浴衣の袖を引っ張って威張っている。

「なぁ、ママ！啓凄いやろ！」

椿が不思議そうに見てる。

『知り合い？親戚？…か、隠し子！』

「正解！」ふざける僕。

『はじめまして、愛人です。ごめんなさいね。』

佐紀ちゃんは自分ウケして前かがみになって笑う。