「みんなで幸せになると良いよ。」

椿と同じ高校にいっていた親友の女の子で
彼氏さんを含めた4人でご飯を食べたりしたこともあった。

『…あぁ、久しぶりですね。元気ですか？』

「うん。あのさぁ、椿と連絡とってる？恥ずかしいねんけど、電話でてくれんくて。」

『あぁ…うん、私も連絡とりたいのに繋がらないんです…。』

意外な返答だった。
僕と全く関係を遮断したくて友達に手を回したのか。

でも、椿はそういう真似をするような人間じゃない。
それは長い間一緒に居た僕も、友達も知っていることで。

「なんかあったら連絡しあうようにせぇへん？僕も引っ越すことなってもてんよ。」

彼女は凄く驚いていたけど、野田のような詮索はせずに『わかりました。』と言ってくれた。

赤外線機能でプロフィールを交換した携帯を確認して
「ありがとうな。じゃぁ、またね。」とあてのない約束をして
別れを告げた。