「みんなで幸せになると良いよ。」
第6章 知らなかった、知りたくもなかった。

1.「死んでもぅたんやもん」

ヒイラギは紅茶を淹れてもってきた。
家庭的な感じが似合わないのに手馴れたようにマグカップを僕の前に差し出した。
2つのマグカップに統一性はなくて、普段ならヒイラギ自身が使っているものなんだろうと安易に想像できた。

女の子らしい部屋。

ぬいぐるみがあるところとか、薄いピンクが部屋全体に広がっていること、
ごちゃごちゃしてなくてずっとキレイにしてある雰囲気がした。


『何処で何してたん!?メールしても返ってくるし、電話つながらんし!寂しかったよ!』


全部変えていた。

逃げ出すために、全部。

椿の連絡先は消せたのに、ヒイラギは何故か消せなかった。


「ちょっと離れたとこで音楽サイト立ち上げてあくせくと仕事に追われてた。」


『ITか、流行に乗るねぇ!!で、あたしが忘れられなくて戻ってきたんやね!?』


「ITってほどじゃないけど。ヒイラギはどうしてたん?」


『ずっと待ってたよ、君があたしのもとに帰ってくる今日の日を!!あははっ!」


「…………。」


『はははっ、あははっ…!」



エライと頭を撫でてくるヒイラギ、

やり過ごす態度に大声になる。
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