小児科医が甘え下手な看護師に愛を教えました
私は、すぐに悠くんを下ろした。でも、簡単には下ろせなくて自分の体で彼を受け止める形になった。

電話をかけた。

プルルル…プルル…

早く!早く!繋がれ!繋がれ!

かけている間、私は彼の状態をみるにまだ体は温かく、すぐに心臓マッサージを開始した。

「立花!大丈夫か?」

「松崎さん…とりあえず…救急車を…」

「わかった。三浦!救急車、悠くんの住所に!立花…
何があった?今、どんな状態?」

松崎さんは、あくまでも私に問いかけるときは優しかった。

「悠くんが…、っ、悠くんが…」

心臓マッサージをする体は、止まることなく動くのに今ある状況を口に出すことが怖かった。

口に出したら本当に現実だと突きつけられて、

「立花、大丈夫だよ。どうした?」
松崎さんは、さらに優しく言ってくれた。

大丈夫。大丈夫。言える。そう自分に言い聞かせた。

「悠くんが、…自殺未遂を図りました。首を…首をつってました」

「わかった。今、救急車むかってるから。三浦が乗ってる。あと、2.3分でつくと思う」

「はい」

私は心臓マッサージを続けた。

救急車がつくまで松崎さんは、電話を切らないでいてくれた。

ピーポービーポー…

「救急隊です。葵さん、心臓マッサージ変わります」

三浦先生が来て変わってくれた。
そこからの記憶はあまりない。

ただ、看護師としてできることをやった。

でも、どこか客観的に世界が見えた。
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