小児科医が甘え下手な看護師に愛を教えました
悠くんを乗せた救急車が到着した。

救急科の人達に任せて、立花に話しかけた。
彼女の目には、光がなくなっていた。

だからといって気負いしないように、いつもと同じように声をかけた。

「立花。どうする?今日は、もう帰ってもいいと思うけど」

「いえ、ご迷惑をかけてるし、このまま家に帰っても余計なことを考えそうなので働きます」

立花らしい。でも、弱音を俺には吐いてほしい。そう思いながら、

「うん。わかった。でも、着替えておいで。替えの服がなかったら、聞いてみるけど」

自分より少し高い悠くんを体を持ち上げて受け止めたから、汚れてしまっていた。

「そうですね。着替えてきます。替えの服はあるので大丈夫です」

そう言って彼女は更衣室に歩いていった。

ん?歩き方が少し変?

右足を引きずっているように見えた。よく見てみるとわかるくらいだから、本人は無自覚なのかもしれない。

「今日、仕事終わったら手当するか」

絶対に自分から言い出さないから。それに、心の中を見せてほしい。過去に何かあったからあれだけ悠くんには、私情を入れていた。その理由を知りたい。

少しでも心を軽くしてあげたい。

抱きしめて、大丈夫だよって言いたい。安心させたい。

絶対に一人で抱え込ませない。そう誓った。
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