あの駅で君を待つ。
プロローグ
誰にだって、知られたくない一面がある。


俺にも、クラスのあいつにも、きっとある。


きっと、あいつも知られたくなかったんだ。


海の見える無人だったはずの駅。


そこにいた彼女も、そうだったんだろうか。


…いや、あいつは違うな。


いつも思ったことははっきり言って、それが自分にとって都合が悪いことでも、飄々としている。


だから、俺はそんなあいつに心を開けたんだ。


自分がどう思われているかなんて気にしなくていい。


彼女だったら、嫌になったら嫌と言うだろうから。



でも
俺は少し、踏み込みすぎたのかもしれない。



彼女のその強さに甘えすぎた。




もう、踏み込まない。


俺に踏み込む勇気が出るまでは


さよならだ。
< 1 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop