あの駅で君を待つ。
「そうかー?小学校の修学旅行俺の方が酔ってたじゃん」


「え、待って光の小学校時代の話?!俺も聞きたい!」


そうやって、光の周りにあっという間に人が集まる。


いつもこうだ。


ただ、1日の終わりにこんなんたまったもんじゃない。


「…じゃ、俺帰るわ」


「おーっす、じゃあなー吉川!」


「バイバイ吉川くん」


曖昧な笑顔で手を振って、後ろ手に教室の扉を閉めた。


教室から出る時、女子の「吉川て普通だよね」
という声が聞こえた気もしたけど、


別に本当のことだしいい。


友達がいないわけじゃないけど、


大半は光と仲がいい俺と仲良くしてるだけで、


俺と仲良くしたいわけじゃないんだろうな。
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