あの駅で君を待つ。
2話
人が、いる。
衝撃的すぎて、理解するのに少し時間がかかった。
何しろ、俺があの高校に入学してから1年と
半年の間、
俺以外の誰かがこの駅にいるところをみたことがなかったのだ。
しかも、座っているのは
女子高生だった。
長い黒髪がさわさわと風に吹かれている。
(…座りたかったんだけどな)
仕方なく、ベンチから7歩分くらい離れた柱に
もたれかかった。
チラリと彼女の方を見る。
よく見ると、着ているのはここら辺では見たこともないセーラー服だった。
うちの高校でも、隣の高校でもない。
中学生…にしては、少し背が高そうな気がする。
何をするでもなく、ただひたすら前だけを
見て座っている。
…変なやつ。