君が死ねばハッピーエンド
すっかり冷めてしまったポテトも三人で食べてしまって、三杯目のドリンクも飲み干してから私達はファミレスを出た。

最後は三人ともホットドリンクを飲んだのに、外の空気が冷たくて一瞬で体が冷えた。

「先輩、ありがとうございました」

「ううん。またなんかあったらいつでも連絡して」

「わーお。先輩かっこいいー!」

「茶化すなよ」

先輩がマフラーに顔を埋める。
照れているのか、本当に寒いだけかどっちなんだろう。

「犯人が誰であってもさ」

ちーちゃんが私と渚先輩にしか聞こえないくらいの声で呟いた。

「そんなことするのは恋愛モンスターだよ」

「恋愛…モンスター?」

「恋の為ならなんだってする。邪魔者を消す為ならなんだって。気をつけなね」

街はすっかり暗い。
なのに夜が濃くなるほどに繁華街のネオンはキラキラと輝く。

楽しそうに、それぞれがどんな関係性かは知らないけれど、そのほとんどの人達が浮き足だっているのに、私達三人だけが不幸の塊みたいな顔をしていた。

「モンスターにとってはシイナが勝ちで、自分が負けだと思ってる」

「恐怖に怯えてるのは私なのに?」

「欲しい物を全部持ってるからだよ。だからシイナを“負け”に引きずりこもうとしてるの。自分だけが正義だって信じて」

「ちーちゃん…」

「脅かしてごめんね?でも本当に気をつけてってこと!先輩もついてるし、何かあったらすぐに言いなさいよ」

「ありがとう」

私達は歩き出した。
三人ともほとんど同じ方向に歩いていくのに、会話は少なかった。

それぞれが考えていることはきっと同じで、これから闘っていかなきゃいけないんだって気持ちが大きくなった。

そんなモンスターになんか負けない。
私の平凡で、平和な日常を取り戻す為に。

私が強くならなくちゃ。
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