君が死ねばハッピーエンド
「滅多に無い…けど…そんな日も時々はあるよ…でもそうじゃなくて」

「何?」

「何時間も朔が待ってるかもしれないって思うと気になるし…」

「それがどうしたの?」

「ソワソワしちゃうんだよ。気になって集中…できない、よ…」

「迷惑ってこと?」

「迷惑じゃ…申し訳ないっていうか…」

「そんなこと、なんで俺が気にするの。俺がしたくてしてるのに。シイナを守る為ならなんでも苦じゃないよ。そんな風にシイナが思ってるほうが悲しいな」

「分かった…」

そう言うしか無い雰囲気だった。

朔の行動を認めなきゃ、これは善意であって、否定する私がおかしいんだって思わなきゃ…朔の目が怖い。

それに何を嫌がる必要があるんだろう。
すごく大切にされてる証拠だし、嬉しいことだよね?

「ありがとう。でも無理はしないでね」

「シイナにしてあげられることで無理なことなんか一個も無いよ」

朔がニコッて笑う。
いつもの大好きな笑顔。

そうだ。
これが正解なんだ。

嫌われることだけは絶対にしたくない。
朔の好意を無碍にするのは絶対にダメ。

いつもみたいに手を繋いで、夜の道を歩いた。

紙袋に入れた学校の制服が重たかった。
バイトの制服のほうが軽いのに、間違ったなって、どうでもいいことを思った。
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