ミル*キス
「つーか、もう来なくていいから。家政婦とかいらんし」


ミーコの目に絶望の色が浮かんだ。

そんな彼女にオレは最後の一撃をお見舞いした。


「例えスミレさんとどうにかならなくても……
オレがお前を好きになることは絶対にないから」


唇をギュっと結んで。

今にも泣きそうな顔をする。

だけどミーコは最後まで一粒も涙をこぼさなかった。


ペコリと頭を下げると

「わかりました。失礼します」

そう言って、オレに背を向けた。



――ガチャン

しばらくして、玄関のドアが閉まる音が聞こえた。




――なんやねんアイツ。

すげーむかつくし……イラつく。


頭をガシガシとかきむしって、何か冷たいものでも飲もうとキッチンへ向かった。


キッチンのカウンターの上に、プラスチック容器が3つ置いてある。

蓋を開けると、それぞれに惣菜が入っていた。


オレの好きなものばかりだ。


ミーコが持ってきたものなんだろう。


オレはそれら全てをゴミ箱の中に投げ捨てた。

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