ミル*キス
桂木
ミーコが帰った後、すぐにシャワーを浴び、身支度を整えてから、家を出た。



めずらしく予備校の授業を受けるオレ。

何気なくジーンズのポケットに手を入れると携帯に触れた。


昨夜、聞いておけばよかったな……スミレさんの番号。


オレの携帯には未だ彼女の番号は登録されていない。


ああ……会いてー


今、何してるかな?

今日もラファロでおいしいコーヒー淹れてるのかな……。


窓の外に広がる夏空を見上げて想うのは、彼女のことばかりだった。



そして夕方。

授業を終え、ビルの外に出た途端、オレの足は止まった。


目の前の歩道に、今一番会いたい人が立っていたからだ。


昨夜彼女を抱いた感覚が蘇って、胸が高鳴る。


なんでここにいるんだ?

ひょっとして、オレを待っていてくれたとか?

あれ?

でも、オレ、予備校の場所教えたっけ?



ちょっと戸惑いながらも、彼女の方へ駆け寄った。


「スミレさん」



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