キスしないと出られない部屋


「え? えぇっ? せ、世良先輩?」

 真っ先に声を上げたのは、芽生だった。

「コレ、3人の誰かが落としたんじゃないかな?」

 そう言って先輩が私達に差し出したのは、白い生地に花の刺繍が施されているハンカチ。あれは、間違いなく私のだ。

「す、すみませんっ。それ、私のですっ」

 私のハンカチを持つことで、いつまでも先輩の腕を上げさせるわけにはいかない。そう思い、先輩に駆け寄ると柔らかい笑みを浮かべていた。

「はい。気をつけなよ、天野さん」

「あ、ありがとうございま……えっ」

 どうして、名前を知ってるんですか。そう
聞こうとしたが、先輩はもう学校に向かって歩いていた。

「ね、ねぇっ! 甘奈っ。先輩、今……天野さんって言ったよね? 学年も違うし、話したことなんてないのに」

 芽生が、驚いて目を丸くしながら言った。驚いたのは、私もだ。

 あんな夢を見たのは、もしかして先輩と何かあるのかも……なんて、期待をしたのも口には出さない秘密。


〜完〜


< 28 / 28 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:30

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

変なメール

総文字数/197

ホラー・オカルト1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
意味がわかると怖い話
バスでうとうと

総文字数/200

ホラー・オカルト1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
意味がわかると怖い話
守ってあげなくちゃ…♡

総文字数/198

ホラー・オカルト1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
意味がわかると怖い話

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop