スーパー戦隊ヒーローズ2 コスモ戦隊コスモバスター 見よ! 正義の命の炎を!

第1章 不気味な足音

 「g9 起動せよ。 g9 起動せよ!」
「g9 起動します。 コスモデルタ 発進!」

 23xx年、ここ第3宇宙では年初から不気味な兆候が表れていた。
「何? 我がバルドラン星がブラックホールに吸い込まれているだと?」 「そうです 狩猟。 最近の突然変化で巨大なブラックホールが現れたものですから。」
「大至急 移住可能な惑星を探して侵略計画を立てるのだ。」 「かしこまりました。」
 「首領、バルドラン星が吸い込まれるのは1年後です。 それまでになんとかしないと、、、。」 「分かっておる。 バルドランナーに調査させておる所だ。」
 暗黒惑星 バルドランは第3宇宙の東の端に在る。 直径は地球とほぼ同じ。
その近辺では輸送艦や護衛艦が突如消息を絶つ謎の事件が多発していた。
 それを受けて首領が移住を決定したのは第5宇宙に在る地球だった。
 「こちら、コスモデルタ。 惑星データからバルドランの地球侵略が明らかとなりました。 これより地球へ急行いたします。」

 「正体不明の爆撃団 東京上空に出現。 特殊警察隊 キングホースは直ちに出動せよ!」
この通報を受けて赤城大輔は第1部隊を引き連れて出動した。 「警察隊だけじゃ手に負えないな。 防衛軍を出動させよう。」
国際防衛本部も日本の急を察知して連合防衛隊を派遣した。 ところが、、、。
 謎の飛行物体は爆撃をもろともせずに接近戦を挑んできた。 「これじゃあ、やられちまうぞ。」
警察隊 第2部隊長の青島俊介は苦悩しながら作戦を練っていた。 「第3部隊 壊滅。」
その知らせを聞いた赤城はお台場へ走った。 その時、彼が乗っていた戦闘機 レッドエースは撃墜されたのだった。
 「赤城君、赤城君。」 総隊長の水島が声を掛け続けるのだが反応は無い。
「かなりの重症です。 完治はほぼ絶望的です。」 「そこをなんとか、、、。 彼は優秀な警察隊長だ。」
「それは分かりますが、我々の力ではどうしようもない。 心臓が弱り切っているんです。」 看護大1部隊長の緑川順子は赤城の表情をじっと見詰めていた。
 そんな赤城がふっと意識を取り戻したのは一週間後のことだった。 「ここは?」
「医療班の集中治療室だ。 しばらくはここで体を休めるんだ。」 「悠長なことは言ってられません。 仲間が潰されていくんです。 俺は何としても、、、。」
「赤城君、その体じゃ無理だ。 本当に死んでしまうぞ。」 「地球のために死ねるならそんな光栄なことは有りません。」
ベッドから立ち上がろうとする赤城を制しながら医療班長 木下は厳しい顔になった。 「ダメだ。 君は休養を、、、。」
「行きます。 仲間が呼んでるんです。」 「どうしても行くのか?」
彼は溜息を吐いてから部屋を出て行った。 不気味な銃声と爆撃音が迫ってきた。
赤城は意識も朦朧とする中で窓際に立った。 「あれは、、、?」
彼の視線に飛び込んできたのは真っ赤な球だった。 しかし爆弾ではないようだ。
次の瞬間、彼の体は空に吸い込まれていった。

 謎めいた兵団は渋谷から千代田区付近へ移動中。 防衛隊は必死に応戦しているが、、、。
「地球人など我々の敵ではない。 殺してしまうのだ!」 怪人 バルド1号は不気味に微笑みながら激を飛ばした。
「はっはっは。 そうはさせるものか!」 「誰だ!」
「人が悲しみに暮れる時、怒りの炎が世界を包む。 炎の妖精 コスモレッド!」 「ややや、、、。」
「人が怒りに震える時、春風が世界に舞い踊る。 風の妖精 コスモブルー!」 「何だと?」
「人が幸せを求める時、森は憩いの場所となる。 森の妖精 コスモグリーン!」 「何だ、こいつらは?」
「人が潤いを欲する時、天は恵みの雨を降らせる。 水の妖精 コスモホワイト!」 「ちきしょうめ、邪魔をしに来たのか。」
「人が己を思い出す時、大地は歓喜に踊り狂う。 大地の妖精 コスモブラック!」 「我ら コスモ戦隊コスモバスター!」
「よくも俺たちの邪魔をしてくれたな。 容赦はせん。 バルドイヤーの力を見せてやれ!」 「行くぞ!」
 天空から現れた五人の勇者たちが兵団に飛び込んでいく。
 「レッドキューン!」 棒状の武器で鞭にもなり、集団に絡み付いて電撃を与える。
三方に分かれて同時攻撃を仕掛けることも出来る。
「ブルーボーガン!」 まさしくボーガンで、刺さった相手の体に強烈な風を送り込み内部から破壊する。
連射も可能で、二つに分かれての射出も可能。
「グリーンサーベル!」 長さを自由に変えられるサーベルで、刺す 切るだけではなく、振り回すことで真空状態にすることが出来る。
また刀体からコスモビームを照射することも可能。
「ホワイトカービン!」 カービン銃に似たライフル。
ウォーターアッパーを発射することが出来、コンビナート火災を一瞬で鎮火するほどの放水団も発射可能。
銃弾を受けた者は一瞬で凍り付き、崩壊する。
「ブラッククラッシャー!」 コスモブラック自身が巨大な鉄の玉になり敵を圧し潰してしまう。

 「よくもよくもやりおったなあ! 覚悟しろ!」 バルド1号が腕を振り回すと砂塵が舞い上がり五人を取り囲んだ。
「しまった。 これでは何も見えない。」 「動けまい。 これで貴様らは砂のように粉々になるのだ。」
コスモブルーは考えた。 「そうだ、、、、。 風よ 巻き起これ!」
ブルーが腕を振り回す。 すると竜巻が空から下りてきた。
「何? 貴様たち、、、。」 「そうだ。 俺たちは自然を味方にした妖精戦隊なのだ。」
「小癪な、、、。」 「行くぞ! コスモカッター!」
 五人が胸に忍ばせているコスモカードを放り投げると空中で合体して大きな手裏剣になった。
「そんな武器で俺様を倒そうというのか? 愚かなやつらよ。」 「そうかな?」
コスモカッターはバルド1号の周りを飛び回っている。 「フラッシュだ!」
レッドが叫ぶとカッターは勢い良くバルド1号の心臓を貫通した。

 「あれは、、、。」 ブルーがビル街の奥を指差すとバルドロボガ暴れていた。
「コスモジェット 発進せよ!」 「コスモフリガード ゴー!」
「コスモタンク 発進!」
 コスモジェットは戦闘機型、コスモフリガードはヘリコプター型、コスモタンクは装甲車型のメカである。
「コスモライフル!」 「コスモレーザー!」
「コスモトマホーク!」
バルドロボは強烈な炎を吐きながらコスモジェットに襲い掛かってきた。 「よし。 合体だ!」
「コスモチェンジ! コスモロボ!」
 コスモジェットは頭部に、コスモフリガードは胴体、コスモタンクは足に変形して合体する。
「コスモチェーン!」 右腕からナックルチェーンを射出する。 「あの炎を止めるんだ!」
「オッケー。 コスモボンバー!」 胴体中央からゴムボールのようなミサイルを発射する。
「よし。 止めだ! コスモプラズマ!」 両手を上に挙げ、掌を合わせると強烈なプラズマ放電が起きる。
それをバルドロボに投げ付けると激しい爆音と共にロボは砕け散った。

 赤城は集まった四人を見回した。 青島と緑川が居る。
そして女子警察隊第1部隊長の白川良子、総本部通信計測隊隊長の黒岩勇樹が居る。
「よく集まってくれた。 これから頼んだぞ。」 「任せてくれ。」
彼は沈みゆく夕日を眺めながら何かを考えているようだった。
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