猫は悪魔(占いおばちゃん鑑定シリーズ3)
「ええ・・先生の猫ちゃんですか?
初めてですね」

来栖さんも振り返り、猫を見た。

「来栖さん・・猫、大丈夫ですか?」

来客には、猫嫌いや猫アレルギーの人もいる。

猫を応接間には入れないようにしていたのだが、わずかな戸の隙間から、身をくねらせてはいったらしい。

「ほらっ、アンタはこっちに来ちゃだめだってーの」

私は慌てて猫をぶらさげるように、持ち上げた。

「先生、私、猫、好きだから大丈夫ですよ。
いいなぁ。
うちのマンションは、ペット不可なんです。
猫、飼いたいんですけどね」

猫は飼えなくても、ヒモ男を飼っているだろーが・・
と、心ならずも、突っ込みをいれてしまう。

猫は素早く私の手に爪を立てると、身をくねらせて、ぽーーんと床に着地した。

「イテテ、この子、触られるのが嫌いなんです。
人嫌いみたいで。
元が野良だから・・全然、かわいくないんですよね」

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