茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
「ありがとう、陽翔……こんなに強引だなんてびっくりしたけど」
玄関で百子の唇を甘やかしたことを言われていると理解した彼は、大げさにため息をついて見せた。
「仕方ねえだろ。でなきゃ百子は一人で何とかする! とか言いかねないだろうが。まあ百子はキスでふにゃふにゃになるからありがたいけどな」
百子は一瞬二の句が継げずにいたが、玄関での出来事を思い出してそっぽを向く。しかし足の甲に柔らかい物が触れて声を上げて思わず彼の方を見た。陽翔が絆創膏を貼り終えた左足の甲に唇を落としたからだ。
「陽翔、もういいよ!」
百子は羞恥を振り払うべく足をバタバタさせたかったが、そんなことをしたら陽翔を蹴ってしまう。結局首を激しく横に振るだけに留まった。
「そうかよ……まあ怪我してるもんな。百子、しばらく走るなよ。可愛い足なのにもったいない」
陽翔としては百子の足の指に手と舌を這わせ、ふくらはぎを撫でさすり、太ももの内側を舐め回し、秘めたる場所をぐずぐずに可愛がりたいところだが、怪我人に無体を働く趣味は無いのであっさりと彼女の足を解放した。
「恥ずかしいわよ、そんな……可愛い、だなんて」
百子は両膝を自分の方に寄せて体育座りの姿勢になる。百子はあまり踵の高い靴は履かないのだが、小指の爪が極端に小さいのと、爪が薄くて割れやすいので二枚爪が多数あり、それを彼に見られてしまって消沈していた。
「なるほどな。百子は自分の足が嫌いなのか」
「……いちいちそんなこと言わないでよ」
図星を突かれて百子は低い声を出し、つま先を隠したが、陽翔に足の甲をそろりと撫でられて小さく声が漏れた。
「俺からしたら百子はどこでも可愛いし綺麗だ。まあそう言われても納得しないってのは分からんでもないがな」
てっきり分からん奴だとか言われると思っていた百子は、陽翔がそう語るのに驚く。自分の体を否定するなと彼なら言いそうだからだ。
「え……? もしかして陽翔も自分の体で嫌なところがあるの? 何か意外かも……」
「あるぞ。腹筋とかは筋トレサボるとすぐに見えなくなるから嫌いだ。最近は腹筋ってそういうもんだって思えてきたがな」
陽翔はシャツを捲って自分の腹を指す。確かに以前よりも腹筋の割れ目が目立たなくなっていたが、それほど気にしなくても良さそうなのにと百子は感じた。
「そんな……誤差の範囲内じゃないの。私は例え陽翔のお腹がモチモチのタプタプでも嫌じゃないのに……あ!」
「ほらな。心当たりがあるだろ?」
玄関で百子の唇を甘やかしたことを言われていると理解した彼は、大げさにため息をついて見せた。
「仕方ねえだろ。でなきゃ百子は一人で何とかする! とか言いかねないだろうが。まあ百子はキスでふにゃふにゃになるからありがたいけどな」
百子は一瞬二の句が継げずにいたが、玄関での出来事を思い出してそっぽを向く。しかし足の甲に柔らかい物が触れて声を上げて思わず彼の方を見た。陽翔が絆創膏を貼り終えた左足の甲に唇を落としたからだ。
「陽翔、もういいよ!」
百子は羞恥を振り払うべく足をバタバタさせたかったが、そんなことをしたら陽翔を蹴ってしまう。結局首を激しく横に振るだけに留まった。
「そうかよ……まあ怪我してるもんな。百子、しばらく走るなよ。可愛い足なのにもったいない」
陽翔としては百子の足の指に手と舌を這わせ、ふくらはぎを撫でさすり、太ももの内側を舐め回し、秘めたる場所をぐずぐずに可愛がりたいところだが、怪我人に無体を働く趣味は無いのであっさりと彼女の足を解放した。
「恥ずかしいわよ、そんな……可愛い、だなんて」
百子は両膝を自分の方に寄せて体育座りの姿勢になる。百子はあまり踵の高い靴は履かないのだが、小指の爪が極端に小さいのと、爪が薄くて割れやすいので二枚爪が多数あり、それを彼に見られてしまって消沈していた。
「なるほどな。百子は自分の足が嫌いなのか」
「……いちいちそんなこと言わないでよ」
図星を突かれて百子は低い声を出し、つま先を隠したが、陽翔に足の甲をそろりと撫でられて小さく声が漏れた。
「俺からしたら百子はどこでも可愛いし綺麗だ。まあそう言われても納得しないってのは分からんでもないがな」
てっきり分からん奴だとか言われると思っていた百子は、陽翔がそう語るのに驚く。自分の体を否定するなと彼なら言いそうだからだ。
「え……? もしかして陽翔も自分の体で嫌なところがあるの? 何か意外かも……」
「あるぞ。腹筋とかは筋トレサボるとすぐに見えなくなるから嫌いだ。最近は腹筋ってそういうもんだって思えてきたがな」
陽翔はシャツを捲って自分の腹を指す。確かに以前よりも腹筋の割れ目が目立たなくなっていたが、それほど気にしなくても良さそうなのにと百子は感じた。
「そんな……誤差の範囲内じゃないの。私は例え陽翔のお腹がモチモチのタプタプでも嫌じゃないのに……あ!」
「ほらな。心当たりがあるだろ?」