性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
認めたくなかった気持ち

それから3日が経った。


彼のためにできることをしたいと思ってはいるものの、どうすればいいのか思いつかずにいる。


「ねー!!亜季!琴葉!のん!見て!」


昼休みに突入するや否や、実結がスマホを持って大騒ぎし始めた。


「なになに」


亜季と琴葉と共に実結のスマホを覗き込む。


【東雲碧緊急入院】


大きな見出しが目に飛び込んできた。


「入…院…」


スマホを手に取り、スクロールを続ける。


【山梨県でドラマの撮影中に、突然意識を失った】
【現在は同県の病院に入院】
【数日前から熱、めまい、ふらつきを訴えていた】
【命に別条はないが、未だに意識は戻っていない】


「ねぇ、やばくない?」

「ね、やっぱCBSってヤバい事務所だよね」

「うん。数日前から症状あったのに休ませてあげなかったってことだよね?」

「事務所がもっとまともなら入院しなくて済んだかもしれないのに」

「ほんとそれ。碧くん可哀想…」

「愁斗くんの件からずっと不信感しかないなー」

「私も。しかも、クレムンをあんなふうにしといて、結局ドラマで共演させるらしいじゃん。なかなかにヤバくない?」

「やばいよね。タレントの意思ガン無視なの丸わかりすぎ」


東雲碧…。


意識戻ってないって、ホントなの…?


「おーーい、のんー?」


「のん、聞いてる?」


「のんちゃーーん」


だから言ったのに。


なんで、無理してロケ行くのよ。
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