性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
ただ、最初に彼が言っていた通り、外でのデートは一切できない。


会うのは彼か私の自宅のみ。


不満はないけど、寂しくはある。


でも、なるべく私が寂しがらないように配慮してくれているのは伝わっている。


撮影の合間に電話をくれたり、メッセージをくれたり。


それが彼の負担になってないといいんだけど…。


【今日は早く帰れる。家行っていい?】


土曜の夕方、碧くんから予期せぬメッセージが届いた。


今日も遅くなるのかと思っていたから嬉しい。


【ご飯用意して待ってる!何時頃着く?】


【ありがとう。7時ぐらい】


【わかった!今日はハンバーグにする!】


碧くんの好物はハンバーグとオムライス。


あぁ見えて味覚はお子ちゃまなところが可愛い。


本人に言ったら睨まれるけど。


【なんか必要なものあれば買って帰るけど、ある?】


棒人間が喜んでいるスタンプが送られてきて、立て続けにメッセージも届いた。


【ふたりでデザート食べようよ。碧くんの好きなやつ選んできて】


棒人間が「ラジャ」と敬礼しているスタンプが届き、やり取りが終わる。
< 160 / 167 >

この作品をシェア

pagetop