契約婚初夜、冷徹警視正の激愛が溢れて抗えない
「お義父さん、早速で申し訳ありませんが、婚姻届の証人になってもらえませんか?」
 それを見て、私を含めたうちの家族全員が呆気に取られる。すでに婚姻届の夫の欄には柊吾さんの、証人欄には華子さんの署名・捺印がされていて驚いた。
「莉乃もサインしてください」
 柊吾さんにペンを渡され、彼の目を見てコクッと頷く。
「あっ、はい」
 これが……婚姻届。なんだか緊張して手が震える。
 名前を一文字一文字ゆっくり書いていたら、和也が柊吾さんに物言いをつけた。
「今日結婚の挨拶に来たのに、もう婚姻届? 早くないですか?」
「莉乃さんは気立てのいいお嬢さんです。グズグズしていると他の男性に掻っ攫われる恐れがありますから」
 柊吾さんは和也に意味ありげな視線を向け、言葉を切る。
「だから一刻も早く婚姻届を出して安心したいんですよ。式の方は莉乃さんの意向を尊重しながらじっくり予定を立てますから」
 フッと微笑して柊吾さんが続けると、父がうんうんと頷いた。
「確かにうちの莉乃はかわいいからな」
< 42 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop