契約婚初夜、冷徹警視正の激愛が溢れて抗えない
「すみません。本当はもう少しご家族と過ごす時間を作ってあげたかったのですが、早い方がいいと思い直しました。僕も仕事が忙しく、なかなか時間が取れないもので。ですが、近いですし、いつでも遊びにいらしてください。歓迎しますよ」
 ……なんだろう。和也と柊吾さんの間に火花が散っているように見えるのは気のせいだろうか。
「あの……私、まだ引っ越しの準備とか全然してなくて……。着替えだけでも今用意してきますね」
 ソファから立ち上がると、柊吾さんに手を掴まれた。
「着替えや身の回りの物は用意してあるので大丈夫です。必要なものはまた取りに来ればいいですよ」
「それはありがとうございます。でも、ひとつだけいいですか? いつも使ってる部屋着、お気に入りだからどうしても持っていきたいんです。今、取ってきます」
 礼を言いながらもそうお願いして、柊吾さんが返事をする前に取りに行く。
 私が戻ると、彼が腕時計をチラッと見て立ち上がった。
「役所の時間もあるので、そろそろ失礼しましょう」
「は、はい」
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