ありがとうって伝えたい 祖父編
『この子は将来世界一のべっぴんさんになるぞ! よく見てみろ! 明らかに他の子より可愛いだろ!』

 なんでこの祖父が花那を見損なうなんて、そんな愚かな勘違いをしてしまったんだ。

『俺が言うから間違いない! 花那が絶対に一番可愛い!』

 きっと祖父は何をされたって花那を恨む事なんかないのに。

 なんで忘れていたんだ。見返りもないのにあんなに尽くしてくれたじゃないか。何もかも受け入れて愛してくれたじゃないか。花那はそれを誰よりも知っていたはずなのに。

「うぁぁあっ……!」

 花那が祖父を否定していたんじゃないか。
 さも祖父が悪霊にでもなったかのように怖れて怯えて忌避して、彼の愛情を(おとし)めていたのは他でもない、花那だったのだ……。

 しがみつくように頼りにしていた景の手を自ら手放し泣き崩れる。(うずくま)って己の馬鹿さ加減に絶望した。
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