出戻り令嬢は、初恋執事に愛されたい。
千隼は「間に合ってよかった」と言いこちらに近づくと跪いて私の手を取り、手の甲にキスを落とす。
「結琉様、私と結婚してくださいますか?」
「私でいいの? 津崎のご子息様が、離婚した私を妻にしても」
「もちろん。元々、父が持ちかけたものだから。それに、何よりも結琉様が好きだからです」
「……私も、千隼が好き。あなたと結婚したい」
そう言うと、私は千隼に抱きしめられて左手の指には光るものがはめられた。
その後、とんとん拍子に話は進んでいき結婚式後に新たな命が宿っているのがわかるのはまだまだ先の話だ。
END.


