出戻り令嬢は、初恋執事に愛されたい。



 私、葉瀬(はせ)結琉(ゆる)はかの有名な旧葉瀬財閥の総帥・葉瀬優一郎の妻だった。今は過去形なのは離婚をしたからだ。元々、優一郎とは一年限定の契約結婚。お互いにメリットがマッチングし、結婚に至ったのだが……それを私の両親は知らない。
 私の旧姓は、花山院(かさのいん)。花山院家とは、旧華族の末裔の名家だった家で今も旧華族として有名だ。誇り高き旧華族家というのがあり、父はプライドが高い。母は箱入りのお嬢様。だから、父には逆らえない。

 そんなふたりを見て育った私は、結婚をしたくなくて仕方なかった。だが、それは通らなくてはいけない道でそれが普通だと言われていたため見合いに行った。その見合い相手が元旦那だった。優一郎も結婚はしたくないと思いがあったが結婚をしないと会社を継がせてはくれないらしく結婚したという証のため離婚前提の契約結婚を二人は結んだ。
 ただ、契約結婚が終わったら私が嫌な思いをしないように計らうと言っていたのに……どうして私はこうなった?まさか、嵌められた!?



「本当に、最悪……」


 広い部屋に、私の声は響き一日は終了した。





 それから、私はかろうじて食事は食べさせてもらえたが監禁生活を強いられ二日経過した……今日。

 私は突然、家から追い出された。


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