最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!
***

 玲菜さんの言うキッズパークはここから近いということで、車ではなく徒歩で行くことにした。
 紫苑くんは柊さんと杏くんと手をにぎって、お散歩気分なのかスキップしている。

「紫苑さま楽しそうですね。お兄さまたちとお出かけするのも久しぶりですから」

 楽しそうな紫苑くんを見て、玲菜さんはほほ笑んだ。
 紫苑くんたちのお母さんである美奈都さんは、仕事もしている上に社長夫人としての役割もあってなかなか一緒にいられない。
 夜は一緒にいられるけれど、毎日というわけじゃないんだとか。

 そのためどうしたって兄弟と過ごす時間の方が多くなる。
 でも二人も中学生になったし、紫苑くんも幼稚園に通うようになった。
 だから最近はこうして出かけることがなかったんだって。

「そうですか……」

 この三兄弟の仲が良いのは、さびしいからっていうのもあるのかな。
 しんみりしながら私は自分はどうだったのか思い出す。

 ……うーん。
 両親がいないときは大体おばあちゃんにしごかれていた気がする。
 うん、さびしいなんて思うヒマもなかったな。
 おばあちゃんは怖かったけれど、そういう意味では感謝かも。
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