唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています
二章
佐倉(さくら)雪璃(せつ)さん。キミのことが好きです。よかったら、僕と付き合わない?」


「……え?」


いつも通りの学校。

私は空き教室で、男の子に告白されていた。


人外さんが多い学校だから、おそらくこの人も……いや、もしかしたら私と同じ強い人間かもしれない。けど、見た目からじゃ判断が難しい。黒髪に青い瞳。私とおんなじだ。


「雷雨君と付き合ってるってウワサ、本当だったんだ」


「雷雨様と私は主人とメイドの関係です」


これを言えば大抵の人は諦めてくれる。私と雷雨様が付き合ってる?そんな噂が流れてたなんて知らなかった。


実を言うと、私は雷雨様と契約はしているけど、雷雨様と付き合っていない。でも、お互いに『好き』と伝えているから暗黙の了解ってやつ。


気持ちは言葉にしないと伝わらない。なら、いい加減私も曖昧な関係はやめて、自分から『付き合ってほしい』っていうべき?


なんとなく自分から言ったら負けな気がして、雷雨様からの告白を待っているんだけど、今まで告白はなくて。多分、互いに契約で結ばれているし、裏切らないことを知ってるから、改めて言う必要がないと思っているのが今の現状。
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