ビターショコラ系幼なじみ彼氏の溺愛

「襲っ…」

夏希の言葉に私はカッと目を見開く。

でも、確かに言われてみれば私の言動って勘違いされてもおかしくないようなことしてたかもしれない。

"幼なじみ"の時と同じように考えていたけれど、
やっぱり"恋人"の距離感って今までと違う。

「まぁ、俺もちょっと悪ふざけがすぎたな」

「ううん。私が無神経だった…ゴメンね」

シュンと肩を落として落ち込む私の頭を夏希が優しく撫でてくれた。

私、夏希のこと好き、だなぁ…。

改めてそう感じ、なんだかくすぐったい気持ちになる。

「じゃ、俺はそろそろ部屋に戻るわ。明日、寝坊すんなよ」

「うん、勉強教えてくれてありがとね」

「このくらい全然いいよ。あ、そうだ。心春ちょっと来て」

サッと立ち上がりベランダに向かう夏希の背中を見送る私に、ちょいちょいとヤツが手招きをした。

「ん?何?」

不思議に思いながらも、素直に夏希に近づいた時。

チュッ。

サッと腕を引かれ、夏希の腕に飛び込む形となった私の額にキスを落とす。

「おやすみ、好きだよ。心春」

「…ッ」

自分の額を抑えて、赤面する私を残して夏希はベランダを越えると自室に戻ってしまった。


残された私は…。


未だにドキドキが鳴り止まない心臓に戸惑うことしかできなかったーー…。

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