友だちでいたいのに

10.すっごく、みっともない

「はぁ!?」
 あやうく手から缶コーヒーを落としそうになる恭司。
「ずっと、ずっとだまってようと思ってたのに……」
 ベソベソと小さな子どもみたいに泣いてるあたし。
 ホンっト、情けないなぁ。

「なんでだよ」
「なにが?」
 恭司は照れくさそうにほおをかきながら、
「その……オマエの話がホントなら、なんでそっけない態度ばかりとってたんだ? ふつう逆じゃね?」
 あたしは、コーラでぬれたままのハンカチで涙をぬぐいながら、
「だって、あたし、恭司とずっと友だちでいたかったんだもん! 中学生のときみたいに、友だちのままだったら、恭司が京都の大学進学するのも、誰か好きな女の子とつき合うのも素直に応援できたのに……あたし、恭司のこと好きになっちゃったの。守れなくなっちゃったんだよ。恭司の夢、応援するって約束」
「瑠奈……」

「ゴメンね。あたし、いつの間にか思うようになったの。恭司に県外に出てほしくない、ずっとあたしの近くにいてほしい、って。美咲が、恭司のこと彼氏にしたいって言ったときも、口では『いいんじゃない?』って答えたけど、ホントは――」
 恋をするって、もっとキレイな気持ちになれると思ってたのに。
「あたし、ひどいよね。恭司は志望校めざしてがんばってるのに。ふだんあんなに仲のいい美咲にも、やきもちなんかやいたりして。恭司には知られたくなかったんだ。こんなワガママなあたしのこと」
 
 だけど、もうみんなしゃべらずにはいられなかった。 
 残らず伝えちゃった。自分の気持ち。
 少女マンガだと、愛の告白ってすごくロマンチックな場面なのに。
 今のあたしは、涙とコーラでボロボロの顔。
 すっごく、すっごく、みっともない……。
「もう、キライになったでしょ? あたしのことなんて――」
< 10 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop