友だちでいたいのに

13.新しい朝

 翌朝。
 眠い目をこすりながら、集合場所のロビーまで出ると。
「あっ」
「おう」
 恭司があたしに軽く手を挙げた。
 目の下にうっすらクマができてる。あたしとおんなじ。
 こんなのでおそろいになっても、ちっともうれしくはないけど……。

「お、おはよう」
 昨夜のことを思い出して、ちょっと緊張気味にあいさつすると、恭司があたしの手をギュッ! と力強くにぎって、
「おはよ」
 と、明るくほほえんだ。
 思わずパッと目が覚める。
 さっきまで眠くてボンヤリしてたのに。
 もう……朝から心臓がドキッとするようなことしないでよ!

「あっ! な~んだ、やっぱりつき合ってんじゃん。三船くんとはそんなんじゃないって言っておきながら~!」
「ホントだー! やーね、瑠奈ったら。友情より恋愛優先するタイプだったの~?」
 あたしたちに気づいたユカちゃんと美咲が、まるで特ダネを発見したベテラン芸能リポーターのような勢いで向かってきた。
「えええ? いや、そうじゃなくって!」
 まいったな、どう説明すればいいの!?

「待てよ、オマエら。瑠奈はウソなんてついてねーぞ」
 しどろもどろになってるあたしの代わりに答えたのは、恭司。
「どゆこと?」
 キョトン、としているユカちゃんと美咲。
「オレたちは、つき合ってたわけじゃねーよ。これからつき合うことになったんだ。縁あってな」
 恭司は、ふたりに笑顔でそう説明すると、
「ほら、行くぞ」
 と、あたしの手を引っぱって、ホテル前に停まっている迎えの観光バスまで走り出した。
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