HAPPY VALENTINE
初めての失恋の痛みは、豪華なホテルのディナーで誤魔化すことになった。



「おいしかった〜!ちょっと、お手洗い行ってくるね!」

目の前でニコニコと笑いながら美羽はそう言い、席を立つ。ホテルに来るまでは泣いていたのに、豪華な料理を見たら涙は引っ込んでしまったみたいで、とりあえず笑ってくれたことに安心した。

「さて、とりあえずマッチングアプリは消すか。あいつにもやめるよう言わないとな」

俺、細田伊織はそう呟き、スマホを取り出してマッチングアプリをタップする。そこに映し出されたプロフィールは、俺の名前ではなく「遊星」と書かれ、適当にSNSで拾った誰かの写真が顔写真に貼ってある。

「美羽と結ばれるのは、俺じゃなきゃダメなんだよ」

そう呟き、俺はマッチングアプリを消した。





完結
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