クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
ドアを開けた瞬間、繋いでいた美樹の手に力が入った。
そして、私の手にも……。
たぶん、美樹の目には真人君だけが映ってたんだと思う。
だけど私の目に飛び込んできたのは……
優しい微笑みの王子様だった。
少し茶色みかかった二重の大きな瞳に、薄ピンク色の唇。
色白なのに健康的で、爽やかな微笑み。
私が見上げてる王子様は初めて会った人なのに、
会ったばかりの人なのにもう既に全てを分析出来てる私。
何?
何なのよ、これ。
こんなこと初めて……。