クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
「はじめまして、店長の竹取剛史です。
バイトさんみんな揃ってる?」
「はい」
ドアを閉めると同時に挨拶した店長さんに、誠君が返事した。
剛史さん……?
剛史さんが店長ってことは、あの無愛想男は店長の弟ってわけね?
「じゃあ、早速バイトの内容を説明するから席に着いて」
部屋の中央にある楕円型のテーブルに、私達はパイプ椅子を移動して座った。
全員が座った後、店長が無愛想男に言った。
「おい、太郎。おまえもこっちに来い」
太郎!?
あの無愛想男、太郎っていうの?
クリスマスに似合わな~い。
けど、あの超無愛想な感じには似合ってるね。
私はぷっと吹き出しそうになり、慌てて唇を噛んだ。